では最後に、僕自身がどうやって職場いじめから逃れたのかをお話しします。

結果から言えば、僕をいじめた上司は転勤になりました。なにかと親しげにしてくれていた隣の部の課長に相談してみたところ、彼が僕の上司のことを問題化してくれたのです。そして隣の部の課長はその場で、「社内風紀を乱すいじめは低俗であり、許されるべきではない」とはっきり主張してくれたのです。僕をいじめていた課長が実質的には“仕事のできない人”として有名だったこともあり、いちばんいいところに着地したという感じです。

もちろん、この結末はある意味で理想的だったと思います。すべてのいじめが、ここまでうまく解決するわけではないでしょう。ただ、こういう経緯を経てきたからかもしれませんが、僕には思えることがひとつだけあります。

あくまで個人的見解ですが、できることなら、法律のレベルにまで荒立てない方がいいのではないだろうかということです。先に法律的な処置法も記してきましたから矛盾しているかもしれませんが、あまりヒステリックになると、“後味がさらに悪くなる”という部分は回避できないからです。

極端な例が、“仕返し”という考え方ですよね。さんざん嫌な思いをさせられると、ついそういう方向に気持ちが流されていくものです。

ただ、それでも最後まで冷静さを失わないことが大切だと思えてならないのです。司法に判断を委ねようというところまで行った場合、会社に残ろうという思いはもう失われていると思います。けれどそれでも、「立つ鳥後を濁さず」の精神を忘れるべきでないと思うんです。



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