職場いじめについて語るにあたっては、まず自分のことをお話しなければなりませんね。
社会人になって早々に、僕は上司からのいじめの標的になりました。でも、まさか自分のような人間がそんな目に遭うとは思ってもいなかったというのが正直な気持ちです。たとえば人づきあいや自己表現が下手だったりしたらまた話は違ってくるかもしれませんが、むしろ逆のタイプだったからです。
大学時代はテニス部で(自分でいうのもナンですが)活躍し、後輩からの人望もそれなりに厚かったと思います。成績だって、よすぎず悪すぎず。もともと要領はいい方なので、誰とでも仲よくつきあえることが誇りでもありました。そもそも、誰かを嫌った経験はほとんどないですし。たいした人間ではありませんけど、少なくとも人から嫌われるような要因はなかったはずです。
しかし、配属された課の上司にそれは通用しませんでした。なにが原因だったのかはいまだにわかりませんが、単純に「気に入らなかった」だけなのかもしれません。いずれにしても僕はあっという間に標的になり、課長という立場をかさに着て、ことあるごとに吊るし上げられることになりました。
「お前に、この仕事は向いてない。いや、そもそもこの世の中にはお前みたいな人間ができる仕事なんかねえよ。できそうなのは、せいぜい◯◯◯(差別用語です)ぐらいだな」
「性格の悪い人間は、どこへ行っても嫌われるものなんだよ」
「ノルマが達成できたと思っていい気になるなよ。お前に課したのは最低のノルマなんだから。わかるか? マトモにやらせたってできっこないから、最初からレベルを最低に設定してるんだよ」
「お前、やっぱり嫌われてんだな。社内のいたるところでお前の悪口を聞かされて困ってるよ」
断言できますが、上司が僕にぶつけた暴言はすべて、事実とはかけ離れたものです。仕事は好きでしたし、課内では成績もいい方でした。その上司以外から嫌な思いをさせられたこともありません。
あとで先輩から「たちの悪い奴に目をつけられちゃったな」といわれたことがあります。先輩によれば、課長は昔から陰湿な性格で有名だったのだそうです。つまり先輩のいうとおり、彼にとっての僕は「気に入らない奴」だったということなのでしょう。
ちなみにそんな助言をしてくれたといっても、先輩は僕のことを助けてくれたわけではありません。あくまで傍観者です。というよりもその先輩に限らず、部の全員が傍観者の域を出ようとはしませんでした。
(※この決着は最後のページにて)
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